2011年11月29日火曜日

「文化を伝承していく」ということ

 本日来店されたお客様から、「いくらデータを残しても、文化を守ることは出来ないんだよね、やはりそれを伝承して行く人がいないと文化は廃れていくんだよ。いくら詳細なデータを残しても、いったん伝承者がいなくなって、途切れてしまった文化を元通りに復元することは、とても難しいんだ。だから、麩屋平のことも年配の人で詳しく知っている人がおられるのならば、今のうちに詳しく聞いておいた方がいいよ。」というお言葉をいただいた。
そのお客様は、とある大学の講師で芸術関係の仕事をしているらしい。
もともと理系だった私がこの言葉を聞いても数年前なら頭を素通りしていったであろうが、今このような言葉を聞くと妙に納得する自分がここにいる。
今は亡き父親に教えてもらった自分の持つ調味包刀之業(調理技術)の価値を再認識するとともに、麩屋平に関わる方々から、出来るだけ多くのことを聞いて、記録と記憶に残し、この文化を伝承して行くという役割を十八代目当主として果たさなければならないということを再認識する一日となった。